iPad Pro 12.9インチと9.7インチ、両方使うようになって「をや?」と思ったのが、Apple Pencilのペアリングについて。
例えば、机の上で12.9インチに描画した後、ベッドの中で9.7インチに描画しようとしても、反応しないんですねコレが。
なので、iPad Proに差し込んで、いちいちペアリングし直さねばなりません。
これでは「紙のように使う」とは言いがたいですね。
はたまた、Apple Pencilを複数本購入して、1本目は自宅用、2本目は屋外用、3本目は会社に常備、などと使いたい時はどうすればいいのか?
ということで今回は、Apple Pencilの複数設定についてレビューしてみたいと思います。
ペアリングとは何か?
まず基礎知識からお話していきましょう。ペアリングとは何か?
ペアリングとは『無線通信を行う機器同士を認識させること』。つまりApple PencilとiPad Proをワイヤレスで繋げることですね。
Apple PencilとiPad Pro間の無線通信は、Bluetoothという接続方式で行われているのですが、これは、Apple Pencilだけでなく、いろんな機器がBluetooth接続しています。例えばマウスとか、キーボードとか、テンキーとか。
そういった様々なBluetooth接続機器と混線しないように、「このApple Pencilは、このiPad Proで使いますよ」と認識させてあげるわけですね。
この『ペアリング』という操作。初心者には意外と取っつきにくくて分からない場合もあるようですが、Apple PencilとiPad Proのペアリング方法は至って簡単。
iPad Proのライトニングケーブルコネクタに、Apple Pencilをぶっ差せばいいだけです。
この格好、ぼくは、お尻に座薬を入れるような気分になるのですが……ぼくだけ?
▼Apple Pencilを差したら、こんなアラートが出るので『ペアリング』を選択すればOK!
というわけで、初心者には取っつきにくいペアリングも、ごく簡単にさせてしまうのがAppleならではでありますが……どうやら、複数のiPad ProでApple Pencilを使い回す、という使い方までは想定してくれなかったようなのですねー。
1本のApple Pencilを、複数のiPad Proで使う場合
Apple Pencil1本で、iPad Pro 12.9インチと9.7インチ、両方にお絵かきしたい場合。
つまり複数台のiPad Proで、Apple Pencilを使いたい場合ですが……なんと、使えません(ToT)
なので上記ペアリングを、いちいちしなくてはならないんですわー。
iPad Proのお尻にペンをツッコむだけ、と言えばそれだけなんですが……これ、意外と戸惑います。
だって、12.9インチと9.7インチ、どっちのiPad Proでお絵かきしてか?なんて覚えてないんですよ。とくにぼくのように、趣味でお絵かきしている人は、毎日毎時お絵かきしているわけではないですからね。ときには2〜3日お絵かきしないことだってあります。
まぁ……趣味なのにiPad Pro両方買うのはどうかしている、ということはおいといて(^^; いやほら、iPad Proはお絵かきに限らず、様々な用途がありますでしょ?
そうなると、いざお絵かきしようとしたときに「あれ? Apple Pencilが使えない!? なんで!!?」と焦ります(^^;
っていうか最初は、本当に焦りました。
お絵かきアプリが消しゴムモードになっているのか確認し、透明色になっていないか確認し、アプリを再起動し、iPad Proを再起動し、それでもお絵かきできないからアップルサポートに電話しようとしたところでようやく「あ、ペアリングか!」と気づきましたよ。
デジタル端末は相当使い慣れているはずのぼくでさえコレですから、普通の人もこうなる可能性が高い。
さらに、いちいちペアリングし直さねば複数枚のiPad Proに対応しないと気づいてからも「あれ?描けない……あ、そっか。ペアリングか」ということ多いのです。
つまり、ペアリングってそれほど不自然な挙動なのですよ。
だって、紙と鉛筆はペアリングする必要ないじゃないですか! 「この紙は、この鉛筆のみ対応してます」とか変でしょ!?
iPad ProとApple Pencilが、紙と鉛筆の描き心地に近づけば近づくほど、ペアリングという操作は邪魔になります。
そもそも、ペアリングというのは初回のみの操作ですからね、本来は。デジタル端末を使い慣れている人のほうが、『ペアリングは初回のみ』という常識が定着してますから、いちいちペアリングし直さねばならないことを忘れてしまうのです。
ちなみに念のため、Appleさんに聞いてみましたが……やはり、いちいちペアリングし直さねばならないそうです。残念。
Apple Pencilのが採用している通信規格Bluetoothには、マルチペアリングという機能もあるはずですが……Apple Pencilはマルチペアリングに対応させていない、ということですね。改善してほしいものです。
何かしらの理由でBluetoothのマルチペアリングに対応できないのだとしても、そもそも、Apple Pencilは現状iPad Proにしか対応していないんだから、Bluetoothでなくていいじゃない。
こういうときこそ、Appleさんが大好きな独自規格を作るべきでしょう? ライセンス契約は望むべくもないから作らないのかな? けど、今までだってApple独自規格は、けっきょくApple製品だけだったわけだし(爆)
iPad ProとApple Pencilの目標は紙と鉛筆なわけですから、この煩わしいペアリング操作はぜひともなくしてほしいですね。
そして、紙に描くがごとく、どんなiPad ProでもシームレスにApple Pencilを使えるようにしてほしいです。
ぼくがここまでアンチ・ペアリングにこだわるのはワケがあるんです。
ぼくが口うるさいマニアだから、ではありません!……たぶん。
そのワケとは、iPhoneなのですよ。
2016年秋に出たiPhone7はApple Pencil対応にはなりませんでしが、今度は対応させるという噂もあります。
そうなったとき、手元にあるApple Pencilで、iPhoneに、ササッとペンを走らせたいじゃないですか。
にもかかわらず、「さっきiPad Proで描画してたんだから、iPhoneで使いたいなら、いちどお尻にツッコんでね」などと言われたらイラッとするじゃないですか。
さらには、今後様々な機器でフリーハンド入力されるようになるでしょうから、そんなとき、毎回ペアリングさせるのは不自然です。
デジタル機器を、ごく自然な操作で使えるようになるからクールなのですね。
だからこそ、ペアリングという不自然な操作はなくすべきだと思うのです。『差すだけだから簡単』では済まされないのですよ。
複数のApple Pencilを、1枚のiPad Proで使う場合
今度は、上記とは逆パターンを考えてみましょう。
例えば、自宅用のApple Pencil、持ち出し用のApple Pencil、会社常備用Apple Pencil──などと複数のApple Pencilで、1枚のiPad Proに描画したい場合。
ぼくだったら、Apple Pencilを、机と寝室とバッグの中に常備させておいて、iPad Proがあれば、いつでもどこでもお絵かきできるようにしておきたい!
こういう場合も、いちいちペアリングしなければならないのか!?
複数本のApple Pencilはまだ持っていないので、っていうか、いちいちペアリングさせねばならないのなら複数のApple Pencilを購入する意味がないので、Appleさんに電話で聞いてみました。
Appleさん、ごく希に返答を間違うことあるのですが、あるいは、ぼくが質問の意図を伝えきれなかったのかもですが、とにもかくにも電話で聞いた限りだと──
「iPad Proは、複数のApple Pencilを登録することできます」
と言われておりました。
さらに「一度ペアリングしておけば、どのApple Pencilでもシームレスに書き込めますか?」と聞いたら「できます」と答えられました。
なので、たぶんできます。まだ自分で検証できていない一抹の不安は覚えますが(^^;、これはBluetoothの通信規格から考えても、不可能ではないはずです。
買ってみた
ということで、Apple Pencilを追加購入し、2本体制になりました!
で、さっそく、1枚のiPad Proに、Apple Pencil 2本ペアリングさせて使ってみたところ……
……おいおい、使えないじゃん!
1枚のiPad Proは、1本のApple Pencilしかペアリングできませんでした。2本目のApple Pencilをペアリングしようとすると、1本目のApple Pencilは接続解除されてしまいます。
だめじゃん(ToT)
もぅ、頼むよ中の人。まぁでも、いずれにしてももう1本ほしかったからいいケド。
複数のApple Pencilを、複数のiPad Proで使う場合
うん、もはや収集つかないねコレ(^^;
「どのApple Pencilが、どのiPad Proにペアリングさせてたか?」なんて覚えてられませんて。
だからこんな使い分け
ぼくは、iPad Pro 12.9インチと9.7インチ、そしてApple Pencilを2本所持しています。
で、どういうふうに使うのかというと、12.9インチは、デスクの上でしか使わないのですね。だから、これに対応するデスク用のApple Pencilが1本。
で、9.7インチは、寝室に持ち込んで、横になりながらマンガ読んだりアニメ見たりしているのですが、この布団脇にApple Pencilがあると、ふとお絵かきしたくなったとき手を伸ばせば、9.7インチですぐさまお絵かき出来るという寸法です。つまり寝室用にもう1本。
1本のApple Pencilが複数枚のiPad Proに登録できるのであれば、Apple Pencilもう1本買って、鞄のポッケに常備させようと思いましたが、できなかったのでこれはやめようと思います。
ペアリングし直さねばならないなら、デスク用のApple Pencilを鞄に入れても何ら変わりませんので。
つまり、使用シーンによってiPad Proを使い分けることにより、自ずと、Apple Pencilも使い分ける、ということですね。
iPad Proが紙ノートに近づくために
このペアリングのまずさは、Appleさんに解決してほしいですわぁ。
とくに、iPad Proが、より、紙ノートに近づくほどに、違和感出るはず。
いまはまだ『お絵かき用』して認識されているiPad Proですが──なぜってAppleがそう打ち出しちゃいましたから──今後、iPad Proがより薄く軽くなって、ユーザーが『紙のノートと同じ』と認識するようになれば、iPad Proの需要は一気に増えるはず。
そうすると、iPhoneではさすがに描画領域狭いですから、『iPhoneはメモ帳、iPad Proはノート』と使い分ける人も増えてくるんじゃないかなー? 増えて欲しいなー?
そうなったとき、
「あれ、このApple Pencilじゃなかった。こっちでもなかった。3本目、お前もか!?」
などとイラつかされては堪りません……まぁ3本も使う人はなかなかいないか(^^;
だからこそ、ペアリングという挙動はことさら不自然になるのですね。
今後はぜひ、複数のApple Pencilで、複数のiPad ProやiPhoneに、シームレスに描画できるよう、Appleさんには改善してもらいたいですね。
それが自然な使い方、というものですから。
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