「タブレットとノートパソコンってどこが違うの?」
ITに疎い友人にこんな質問を受けたのですが、最初はその質問の意味が分かりませんでした。
「見た目からしてぜんぜん違うじゃん」と答えるのが精一杯で。
でも話をよくよく聞くうちに、つまり彼はタブレットの用途がいまいちよく分かってないご様子。
そこで今回は、似て非なるタブレットとノートパソコンの、使い方における違いをお話したいと思います。
タブレットとノートパソコンはこんなにも違う!
タブレットとノートパソコンは、明らかに違います。
端的に言うならば、つまりはこういうコトです。
- タブレット……ゴロ寝して使う
- ノートパソコン……机の上で使う
いや、ギャグではありません。本気です。
タブレットは、ゴロ寝して使うコンピュータなのですよ!
デスクトップパソコンなんて言葉がありましたが、いうならばタブレットは『ベッドインパソコン』なのですよ!
コンピュータは、巨大なマシンルームを占拠したいたかつての姿から、タンスサイズとなり、机の下のタワー型になり、ついには机の上にまで上り詰め、そしていよいよ、机の上から羽ばたいてあなたの手のひらへと侵略、もとい進出したのです!
あ、侵略面積どんどん小さくなってるや。でも影響力は計り知れませんね。
もうちょっと専門家っぽくいうならば──
- タブレット……インプット端末
- ノートパソコン……アウトプット端末
──ということでしょう。
ここでいうアウトプット・インプットというのは人間を基準にした場合ですね。
タブレットは、もっぱらインプットに使います。たとえば、映画やアニメを見たり。ホームページや電子書籍を読んだり。メールは、タブレットでとりあえず目を通し、返信はパソコンで打つ、という人も多いと思います。
ノートパソコンはその真逆、アウトプット装置。書類や原稿を書くことに始まり、絵を描いたり、デザインしたり、プログラミングしたりなどなど。ぼくはよく、MacBook Proで書いた原稿をクラウド同期さして、iPadやiPhoneで推敲しています。
タブレットは、ちょっとした誤字脱字の修正にはいいですが、がっつり長文書くにはまだまだ不向き。Apple Pencilの登場で、本格的にアウトプットに耐えうるのか興味津々ですが。
そうして、映画やアニメを見ているとき、あるいは読書しているとき、机にかじりついて見たり読んだりしている人は希ですよね? ソファに座ったり、布団にゴロ寝したりで見たり読んだりしたいはずです。
ホームページまでも、ゴロ寝して読めるようになりました。最初は、感動で涙が出そうなったものです。(どんだけ怠け者?)
つまり、『ゴロ寝して使えるコンピュータ』だからこそ、マウスやキーボードではなくタッチパネルなのです。布団の上じゃマウス使えないしね。
設計思想の違いもあるよ?
というわけであとは蛇足ですが、いちおう、設計思想的な話も致しましょう。
タブレットとノートパソコンの、設計的な違いは、ざっくりいえば『ファイル管理の違い』です。
- タブレット……ファイルはアプリで管理
- ノートパソコン……ファイルはフォルダで管理
たとえばブログ記事を書くとしましょう。新しい記事を書くときは、タブレットもノートパソコンも、Wordやpagesや、はたまたEvernoteなどのテキストエディタを開くと思います。
ですが、書きかけの記事を編集するとき。このときの操作が違ってきます。
タブレットは、どんなときでもアプリを開き、続きのテキストファイルを探すでしょう。
ですがノートパソコンは、フォルダを開く。アプリからも開けますが、フォルダから開く人のほうが圧倒的に多いはずです。
つまりファイルを、アプリから開くか、フォルダから開くか。
この違いが、タブレットとノートパソコンの大きな違いだとぼくは思っています。
現にiPadには、Macのfinderはありません。つまりフォルダが存在していないのです。アプリをまとめることはできても、ファイルをまとめることはできません。
『アプリで管理』と『フォルダで管理』。あなたはどっち?
さて、『アプリで管理』と『フォルダで管理』は、どちらが優れているのでしょうか?
一長一短ありますが、Appleが“仕掛け”た『アプリで管理』のほうがおおよそ優秀であるとぼくは考えています。
ノートパソコンの『フォルダで管理』は、確かに汎用性は高い。ユーザーが自由にファイルを整理整頓できます。その分、ファイルが迷子になってしまい、けっきょく検索で探したり、探し出せなかったりするケースが出てきます。つまり、整理整頓が上手な人でないとうまく使いこなせない。
ぼくも会社勤めしてたころは、そんな上司・同僚・後輩をたくさん見てきました。つまり、部屋の整理整頓が苦手な人はおしなべて不向きです(^^;
タブレットの『アプリで管理』は、アプリによっていろいろと制約があります。フォルダのように、ファイルを入れ子にして格納できなかったり、操作性がアプリによってまちまちだったり。
でも、よっぽど膨大なファイルでも作らない限りは、たいした問題ではありません。ヒトの記憶は「どのフォルダにしまったか?」よりも、「どのアプリで書いたか?」のほうが覚えています。
だから、たとえばブログ記事の続きを書こうとするとき、とりあえずWordを開く、という操作のほうが自然なのです。
それに、新規書類ではWordを開くのに、書きかけ書類はフォルダを開くってのも、操作に統一感がありません。これは、初心者には取っつきにくい。
思い出してください。パソコン初心者だったころ、自分の書いた書類がどこに消えてしまったのか……驚いたことはありませんか?
初心者にやさしいということは優秀である証拠。ということでぼくは、『アプリで管理』のほうがおおよそ優れていると思う次第です。
そして時代はすでに、『アプリで管理』でも『フォルダで管理』でもなく、『クラウドで管理』になりつつあります。
クラウドとは、セキュリティのかかったネットの個人スペースのことで、そこにいろんなファイルをアップしておけるんです。
クラウドにファイルを上げておくと、パソコンで編集したファイルを、喫茶店にやってきてタブレットで再編集できたりするわけです。会社で作った書類を、自宅でも開けたり。あ、そこまでして仕事したくないか(^^;
EvernoteやApple製アプリなどはすでにそうなっていますね。DropBoxやGoogleドライブなど使えば、クラウド対応していないアプリもたいていやれます。
クラウド上のフォルダを、アプリが開いているわけです。あくまでも旧来のフォルダ管理をしたい人は、クラウドフォルダを直に操作することもできます。
こうして、タブレットとノートパソコンの設計思想は徐々に統合されていくわけです。
AppleとGoogle VS Microsoftの違い
『アプリで管理』を提唱したAppleと、それを真似たGoogleは、パソコン側も『アプリで管理』にしてもらおうとしている気がします。
Appleなんか、ゆくゆくはMacのOS Xを廃止して、iOS統合を目論んでいたりして?
なぜか?
『アプリで管理』のほうが、プラットホームビジネスをやる上で何かと都合がいいですからね。
クラウド使用料はチャリンチャリンと入ってくるし、アプリが売れてもチャリンチャリンですし。
パソコン側ではそう簡単に課金できませんが(野良アプリがたくさん手に入るから)、それでも、操作性を統一させることで、モバイルのようにパソコンでも、AppStoreでアプリを買う人も増えるでしょうし、思いも寄らない金脈が掘り起こせるかもしれません。
これに対してモバイル市場に出遅れたMicrosoftは、どうも、プラットホームビジネスをあきらめた節があります。あきらめたと言うよりは、もっと大きい枠組みでプラットホームを再定義したのかもしれません。
そもそもMicrosoft社は、Windowsというプラットホームで世界征服済みですから、新興市場である『検索』や『モバイルOS』にわざわざ打って出なくてもよかったのです。
Windowsさえ使ってくれれば、そのプラットホームの上で、いろんなことができますからね。
はたしてITの覇者は、Appleか、Googleか、Microsoftか。
ちなみにAmazonは、ITというより小売業に分類してますぼくの中では。Facebookはまだまだといった感じ。プラットホームの上で踊るプレーヤーかな。
これからの推移に目が離せませんね。
でもまぁ今のところ、Google最強かなー(^^;
カテゴリー:iPadの選び方